あなたもきっと、次のように誰かに怒ってしまった経験があると思います。

なんでこんなことも出来ないんだ!!!

何回言ったらわかるんだ!?

どうするつもりなの?ねえ!?
この記事を見ているあなたは、もう怒りたくない。と思っているはずです。
どうすれば怒らないように出来るのか。そのヒントは、アドラー心理学にあります。
アドラー心理学を学び、実践すれば、「怒りのコントロール」が可能になります。
「怒りのコントロール」は技術です。これを身に付ければ、もう不用意に怒らないで済むのです。
親と子、上司と部下、先輩と後輩。人生における、あらゆる対人関係で役に立ちます。
アドラー心理学における「尊敬」の意味
アドラー心理学の名著「幸せになる勇気」の中で、アドラーは「尊敬」について次のように説明しています。

「尊敬」とは、人間の姿をありのままに見て、その人が唯一無二の存在であることを知る能力のことです。
では、次に「尊敬」の意味をGoogle検索してみましょう。結果を以下に引用します。
そんけい
【尊敬】 《名・ス他》
他人の人格や行為を高いものと認め、頭を下げるような、また、ついて行きたいような気持になること。うやまうこと。 「親を―する」
これはつまりこういうことです。

うちの社長はすごいなぁ。僕もこの人みたいになりたいなぁ。一生付いていくぞ!
どちらの考えがピンときたでしょうか。おそらくアドラーの考え方はピンと来ず、Google検索結果の方があなたのイメージに近かったと思います。
ですが、アドラーはこの考え方を明確に否定しています。

それは尊敬ではなく、恐怖であり、従属であり、信仰です。相手のことを何も見ておらず、権力や権威に怯え、虚像を崇めているだけの姿です。
アドラー心理学における「共感」の意味
では次に、アドラー心理学における「共感」に意味について見ていきましょう。
同じく、アドラー心理学の名著「幸せになる勇気」の中で、アドラーは「共感」について次のように説明しています。

「共感」とは他者の目で見て、他者の耳で聞き、他者の心で感じることです。
では、次に「共感」の意味をGoogle検索してみましょう。結果を以下に引用します。
きょうかん
【共感】 《名・ス自》
他人の考え・主張に、全くそうだと感ずること。その気持。同感。 「―を覚える」
これはつまり、以下のように、相手の意見に対して同調する、同じ感想を持つということです。

この映画面白かったね!

うん、あのシーンは良かったよね!
あなたが持つ「共感」のイメージはこれでしょう。
ですが、アドラー心理学における「共感」は、上記とは全く異なるのです。

「共感」とは、他者の関心事に関心を寄せることです。
他者の関心事に関心を寄せるとは
言われたことをやらない・ルールを守れないなど人間に対して「どうしてやらないの?」と質問したところで、ほとんどの場合は何の解決にもなりません。
それはなぜかというと、相手の価値観と自分の価値観が同じだとは限らないからです。
「相手がなぜやらないのか?」を考えるには、相手の立場に立って相手のことを考えるのです。

相手と同じ種類の心と人生を持っていたら・・・と考えるのです。
そうすればきっと、自分も相手と同じ考え方、同じ行動になるだろう。と納得できるはずです。
これが他者の関心事に関心を寄せるということなのです。
後はもう、建設的に対処方法を考えるのみです。
相手の考え方・行動原理に納得できたあなたはもう、相手のことを怒ったりはしないでしょう。
アドラー心理学の理論をアンガーマネジメントに応用する
気をつけたいのは、自分にとっての常識・当たり前が、相手にとっての常識・当たり前であるとは限らないという点です。
もし、次のように思っているのであれば、その考え方は捨ててください。

自分が考えていることは、相手も同じように考えているはず。
このブログのモットーは「常識を疑い、固定観念を破壊する」です。
自分の常識=相手の常識という思い込みは捨てましょう。
あなたが怒ってしまうのは、「これくらいのことはやってくれるはず。」という期待を勝手に抱いて、相手が期待に沿わなかった行動をした場合にそれを「裏切られた」と感じてしまうからです。
大事なのは、他者の関心事に関心を寄せることです。
そのためには、アドラー心理学における「尊敬」と「共感」の技術を習得する必要があります。
自分の価値観で相手を評価してはいけません。相手の価値観に立って評価するのです。
そうすれば、怒りの感情は湧いてきません。
後はもう、建設的に対処方法を考えるのみです。