現代における「敬語」の正体
なぜ敬語を使うのか。それは「ビジネス日本語」として日本に根付いているからです。
ビジネス日本語として日本に定着しているからこそ、ビジネスの世界では相手が年上でも年下でも関係なく敬語を使うのです。
現代において敬語とは、「敬う気持ちがあるから使うもの」ではなく「周りがそういう話し方をしているから自分も倣って使う」程度のものです。
ぶっちゃけて言えば尊敬の念を感じて敬語を使っている人は少ないと思います。
例えば、海外に行ったらその国の言葉でその国の人間とコミュニケーションを取ろうとしますよね?
アメリカに行ったら「英語」を話すだろうし、フランスに行けば「フランス語」を話そうとするはずです。
敬語もこれと同じです。ビジネスの場における公用語として敬語が存在しているだけに過ぎません。
「敬語」という呼称は現代に合わない。「ビジネス日本語」と呼ぼう。
- 相手が単に年上だという理由だけで敬語を使うことを強制される理不尽
- 相手が尊敬するに値しない人間であっても敬語を使うことを強制される理不尽
これらはすべて「敬語=尊敬する相手に使う言葉」という解釈に起因するものです。
敬う気持ちの有無に関係なく敬語を話すことを強要されているのであれば、それはもはや「敬語」とは呼べません。
「敬語」という言葉の使われ方が変化したのにもかかわらずいつまでも「敬語」という呼称を使っているから上記のような話に発展するのです。
ビジネスの場では公用語として「ビジネス日本語」を使う。それだけの理由で良いのです。そこに尊敬の念は必要ありません。
ビジネスの世界では、初めて会う客にも敬語で接します。初めて会って相手のことは何も知らないはずなのに、尊敬の念が芽生えるなどあり得ないのです。
尊敬の念がないのに敬語を使っている矛盾。
「敬語」を「ビジネス日本語」に言い換えればこの矛盾は発生しません。
お互いが気持ちよく会話するための手段としてビジネス日本語を用いる。
これが令和の新常識です。