もう働きたくない!

常識を疑い、固定観念を破壊する――。

出産女性を「母」とする生殖補助医療法案について考えた

この法案で言っていること

この法案では、第三者(X,Y)から精子・卵子を提供してもらい、花子さん自身が母体となって妊娠・出産することで、花子さん自身が「母」となれる。

代理出産とは

代理出産を説明する画像
代理出産を説明する画像

代理出産とは、子どもを産めない男女が、自分たちの精子と卵子を提供して、第三者(代理母)に妊娠・出産を依頼することだ。
つまり精子・卵子は自分たちのものであるが、第三者が母体を担っているということです。

しかし、今回の法案どおりに行くと花子さんは「母」となれず代理母が「母」として認定されてしまう恐れがある。

私が考える最適解

私が考える最適解は、「遺伝子上の親」、「生みの親(母体)」、「育ての親」の3つを親として認定することだ。
なぜなら、法律上の親子関係は如何様にも変えられるが、遺伝子上の親子関係を変えることはできないからだ。
この原則は、現代の遺伝子学、医学においては絶対不変の真理だろう。
であるならば、時代に合わせて変えることができる法は、この原則に基づいて考えるべきだろう。と私は考える。
以下に、代理出産の場合と遺伝子提供を受けて出産した場合それぞれがどう認定されるのかを表で示す。

【代理出産の場合】
遺伝上の親 太郎 花子
母体 なし 第三者
育ての親 太郎 花子
【第三者の遺伝子提供を受けて出産した場合】
遺伝上の親 X Y
母体 なし 花子
育ての親 太郎 花子

誰が親かは子どもが決める

この法案を考える上で大事なのは、親目線ではなく生まれてくる子ども目線でこの法案がどうあるべきかを考えることだ。

子ども目線で考えたときに、誰が自分の親であるかを決めるのは「法」ではなく、子ども自身です。
生まれてくる子どもには、遺伝子上の親を知る権利が保証されるべきと考えます。
このように考えたとき、子どもが自身の親を選択できるように、「遺伝子上の親」と「育ての親」を区別しておいたほうが良いでしょう。

子ども
子ども

本当の親(遺伝子上の親)には会ったことないけど、太郎さんと花子さんが僕にとっての本当の親だ!

と思う子もいれば、

子ども
子ども

太郎さんと花子さんには感謝してる。でも本当の親(遺伝子上の親)に会いに行く!

と思う子どももいるでしょう。

従来は、「遺伝子上の親」=「育ての親」として成り立ってきた関係ですが、「親」とはそもそも何なのかという「親の定義」そのものを再定義する時代がやってきているのだと思います。 今後、このようなケースが増えてくるはずです。将来的には「遺伝子上の親」と「育ての親」を区別して考えるのが常識となる日が来るでしょう。

離婚した場合の親権はどうなる?

第三者の精子・卵子の提供を受けて子どもを授かった夫婦が離婚した場合の親権はどうなるのか?という疑問が生じる。
ここで考えるべきは「子どもを授かりたいと思っているのは誰か」だ。

精子・卵子を提供した第三者は、自分の遺伝子を提供しただけであって、子どもを生む意思はないと考えられる。よって第三者は親権の候補から外れる。

次に考えるべきは太郎さんと花子さんだ。どちらか一方、または双方が子どもが欲しいと願ったから、第三者からの遺伝子提供を受けて子どもを授かったわけなのでここを紐解けば良い。

つまり太郎さんが子どもを欲しいと思ったのなら、親権は太郎さん。
花子さんが子どもを欲しいと思ったのなら親権は花子さんになる。
では、双方が子どもを欲しいと思っていた場合はどうしたらよいか。

それは結婚時に決めるのが最適解だと考える。
普段、意識していないかもしれないが、結婚とは契約だ。
苗字を一緒にする契約、築いた財産を共有する契約などたくさんある。
ここに、「親権について双方で合意する契約」を盛り込めば良い。
婚姻届に、親権についての欄を設ければ良いのだ。
結婚時にこの契約をしている夫婦だけが、第三者の遺伝子提供を受けて子どもを授かることができるようにすれば良い。
もちろん、離婚時にこの契約が履行されない場合の罰則規定も必要だ。
これで親権問題は解決する。