記事タイトルを読んで、「人手不足の業界へ人材を送り込むのだから良いことなのでは」と思うかもしれませんが、この話、労働者目線ではかなり悪魔的です。
以前、以下のツイートおよびニュース記事を読みました。
【損保ジャパン、4000人削減】
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) June 24, 2019
損害保険ジャパン日本興亜が2020年度末までに、従業員数を17年度比で4000人程度減らす方針であることが分かりました。全体の約15%に相当します。余った従業員は介護などを手掛けるグループ企業に配置転換し、新卒採用も抑えます。https://t.co/nkIAT6KTwQ
記事によると、ITによる業務効率化で約4,000人の人員を削減することが可能となり、この人員は介護業を手掛けるグループ会社に配置転換されるとのことです。
介護業界といえば人手不足で有名な業界の一角です。
某保険会社で何が起こっているのか
ニュース記事をさらにググると以下の記事がヒットします。
記事によると介護会社の買収を2015年に行っています。そしてその会社への配置転換を2019年今年に行っています。
つまり、この会社は将来発生する自社の余剰人員を送り込むために、介護会社を買収していたのです!
なぜ記事タイトルで"悪魔的"と書いたのか、ブログカードがリストラされている風なのか、それはこの仕組みが実質的なリストラであるからです。
今までは追い出し部屋や早期退職制度などを使ってリストラせずに余剰人員を減らす企業が多かった印象です。
ですが、このスキームを使えば追い出し部屋は不要、早期退職制度の割り増し退職金なども必要とせずに余剰人員を減らすことが出来てしまうのです!
これからの時代はこのスキームが主流になる!
誰が悪いわけでもなくこれが時代の流れなのです。誰も逆らえません。
「IT・AIなどのテクノロジーの力で業務を効率化して、生じた余剰人員を人手不足な業界に回す」
残酷ですが、少子高齢化社会の日本で社会を維持していくにはもはやこれしか方法がないのです。
調べてみると人手不足業界と呼ばれる業界には以下があるようです。
上の画像を見ると12位に介護サービスの職業が挙がっています。
つまり、ここに挙がっているような人手不足業界に属する企業を買収したらこの悪魔のスキームを実行しようとしている可能性が高いです。
これらの業界に勤めている人は要注意です。自分が勤めている会社が買収する側なのかされる側なのか確認しておく必要があるでしょう。
以下の記事でも少し触れました。
誰だって安定した会社で安心して働きたいに決まっています。
銀行、保険業界などネームバリューや信頼のある会社に就職したのにも関わらず介護職をするだなんて誰が予想できたしょう。
ですが、これからの時代、一生同じ仕事を続けていくことははもはや不可能に近いです。
2つ3つの職を渡り歩く覚悟が必要です。
以前、以下の記事も話題になりました。
www.nikkei.com 人事や総務の人材を営業職や技術職に配置転換するとのことでしたが いくらIT企業でも人事や総務の人材ではプログラムに詳しくありません。 それなのにこんなことがまかり通ってしまう時代なのです。まさに労働者にとっては悪魔的措置です。
これからの動向に注視
人手不足の業界、企業というのは労働環境や賃金面でもあまり良い噂は聞きません。
大手企業の優秀な人材や資金が注入され、そのような問題点が改善されるのか、はたまた再びどこかへ売却されてEXITしてしまうのか。
前者を期待したいですが、もし後者の結末になってしまった場合、炎上すること間違いなしです。
では、また。Good Luck.